レシスとの企画はいつも地獄プライスです。 売れるとか一切考えず、純粋に物、物、物。 みんなスルーでも1/1000くらいの確率で気に入ってもらえると嬉しいです。 秋も着れるリネンセットアップができました。 |
今回で5回目。 いつも前回の企画を超えれると思ったときだけ行っているので、頻度は確実に減ってますが、皆さんに心から楽しみ、 驚いて貰いたいのです。 毎回、今回がラストになるかも。と思いながらやっています。 |
少し振り返りで、
7月はAcne初期ヘッドデザイナーのC.Lundmanの”Salon”からスタートし、LES LESTONのビスポークシャツのオーダー会と続き、LES SIXとは数年ぶりに全く毛色の違うセットアップを作りました。
まとまり皆無な今月ですが、どれもスペシャルであり”今”であり、大好きだから仕方ない。
世間での古着ブームはさらに燃え上がり、僕も相変わらず大好きで熱は十分ありますが、それと同時に天邪鬼な性格もあってか、一歩引き、以前より、もっともっと”今の物”に拘りたいとここ最近は特に思っています。
別に逆張りじゃないですが、その方がより面白そうじゃないですか?
どの時代でも、どこまで行っても結局は物な訳で、その”物、モノ、もの”を過去から探すだけでなく”今”をとことん追求したいのです。
そう、この瞬間を生きているからこそ、新しい価値観を楽しみ、最大限の”今”にしたい。そんな事ばかり最近は考えています。
そんな時に頼りになる人。 表からは見えないけど、裏のボタンも全部Silver925にした。と川西さんは言います。 あと、リネンにSilverて面白くない?選んだ厚手リネンもワークに合うし、洗っていくと、もっともっと最高のやつだ。クタッとしたらまた、Silverの見え方も変わるし。 |
今回の企画はラグジュアリーなワークウエアのセットアップです。
Brown,Beige,Turcoiseの3カラー |
皮肉にもオリジナルにあるベージュやブラウンカラーに対抗しましたが、このターコイズも良いでしょう。襟はコーデュロイの切り替えです。 |
高級には程遠いガシガシの厚手リネン生地に対して、大、中、小のSilver925ボタンの配列の妙。細かいですが、全体のデザインというより、こういうバランスにグッと来る気持ちありませんか? すべてがLES SIXオリジナルのSilver925ボタンとリベットです。 |
袖口には贅沢に2個。袖口を絞るとまたシルエットも変わる。 本来は作業の為に調節するボタンですが、それをSilver925のボタンで調節できる。 |
パンツは川西さんが所有する40sハートタグのオーバーオールをベースに作ったオリジナルワーカーショーツ。気分な膝下丈です。 |
バックにもビッシリとSilver925のリベット。でも強すぎない。 写真よりも更に実物は迫力あります。 |
フシの強い風合が良いリネン生地。Silverとの対比も変でいい。 写真とりながら、自分も着ながら、これは本当に良いバランスだなと改めて感じた瞬間。 |
試着写真を載せる前に、
川西さんから送られてきた、かなりの長文が熱かったので省略せず、すべて載せます。笑
これはぜひ読んで下さい。
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Strips時代から数えてかれこれ5回目のプロジェクトを約1年ぶりに大下君と企画しました。毎回売り上げのためとかそういうビジネス的なアプローチでなく、ファッションとして今面白いモノのアイディアが出た時のみ行うプロジェクトになりました。その結果半年に一回行うのも難しくなってきて、今は1年に一回アイディアが出るかどうかになってきています。
5回のプロジェクトの間に4年ほど時間が過ぎたと思います。コロナ前、コロナ後などと時代が区切られて話されるようにファッションの移り変わりも激しく4年でこんなにも価値観が変容するものかと驚いています。
その変化の中で自分が気になったり、見たい、欲しいと思えるものは移り変わっていき、
いや、変わったというよりはドンドン減っているのかもしれません。年齢を重ねるにつれて自分が高揚感を感じられるものが無くなってきていると思います。
デザイナーのアーカイブを漁ってデザインを出す事にも飽きたし、変なディテールの服を集めてコラージュすることにも飽きました。今の時代は、ラクジュアリーの世界ではデザインそのものよりもインフルエンサーでブランドの顔を作って、その物販をブランドロゴと生産背景で売る事がラグジュアリーブランドの役割になってしまった時代です。
そこは、自分も天邪鬼な人間なので素直にその時代をそうですか。と受け入れるわけもなく、常にカウンターを打つチャンスを探りながらデザインと向き合っています。この大下君とのプロジェクトは、採算を無視してカウンターを打てる数少ないチャンスでもあります。
今回はアメリカの歴史を振り返る上で欠かせない、ワークウエアに焦点を当てて、自分のデザインと共に落とし込みました。高級なワークウエアは、実に皮肉なもので、本来アメリカを発展させるために労働者が命を削って作った鉄道と線路、またそれが行き渡った後に土木作業をしていた人達が着ていたものが、そもそものワークウエアであって、それをラクジュアリーにするなんて本来意味は無いと思います。
ただシンプルにラグジュアリーな本当の労働着は、どんなものになるのかが気になって作ってみました。今回のプロジェクトのために40年代のワークウエアを集めてどんな質感か着心地なのかを確かめてみました。生地は、到底良い生地では無いのだけれど、時間とともに風化した生地感は、高級感とは違うがとても良くて、もしこの風合いを出す、又は何年後かに出るとしたらどういうものが良いかを考えて生地選びをしました。
あえて荒くて丈夫な生地感と、本来リベット、アルミボタンが付いているところには全て職人と一緒にシルバー925のパーツを鋳造して、縫い付けました。量産では出来ない、無意味なワークウエアのキッチュさ(悪趣味)を1着1着に込められたと自負しています。
こんな普通わざわざやら無いでしょっていうものは、自信を持って出せたと思います。良かったら、一度袖を通してみて下さい。
川西
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カシミヤの時も書きましたが、なんでこんなことやりたくなるのかと、たまに本気で嫌になりますが、好きだから仕方ないし、人と違うに事に対して、僕はとことん楽しみたい。
明日から発売します。
夏はショーツで。秋口からはセットアップにお気に入りの靴下を履いてどうぞ。僕はベージュにしました。
Luxury Worker JKT ¥300,000(330,000)
Luxury Worker Shorts ¥250,000(275,000)
St-pour homme
13:00-19:00