Objects of Care

 

またまたパリの話。今年の1月のことです。


salonデザイナーのクリスはアクネはもちろん、過去にバーバリーでもデザインをされていました。


その時の同僚がブランドを始めると教えてくれたのです。今回ファーストコレクションをパリで展示会すると。



直前の連絡。とりあえずコンタクトをとりインスタでどんなブランドか確認。まったく写真は載ってなかった。うん、良いかも。

そう思ったのは今でも覚えてる。



パリでもあまり展示会を行わないエリア。
ショールームではなく、彼女自身が選んだこじんまりとした空間。
奥に見えるのがデザイナーのケイトさん


クリスから紹介してもらいました。と挨拶し、話を聞くとお店はほとんど声掛けてないとのこと。私の信頼する人が信頼している人に見て欲しいだけだと。ちょっと緊張感を感じた。

彼女はバーバリーの後ボッテガやマーティンローズでデザイナーをやっていたみたいです。



ただ、ケイトさんと話しながら横からチラチラ見える洋服からはそれらの匂いは感じない。

まったく別軸というか、そもそも時代(今)を感じない。






ケイトさんはウェールズ出身で今もそこで暮らしている。家業が代々羊飼いで家では数百匹の羊を飼ってるそうです。そんな所からよくモードの中心まで辿り着いたなと。




例えば、このセーターのウールは実際に私達の羊から集めた”毛”を使っています。染めてもないです。天然の”毛”。生産もすべてウェールズで生地もウェールズが中心だとか。


ケイトさんは職人やアーティストではなくデザイナー。経歴だけ見てももう一流と言ってもいいはず。なぜこの非効率な道を目指したのか。


と同時に説明を聞いて、アナログでありながらモードな自給自足ブランドが今から誕生するんだと息をのんだ。




このチャームはブランドのアイコニックです。

すべての洋服に付けています。私達が羊達に付けて区別するように、洋服にも1点1点特別なオブジェのような意味合いで付けています。大量生産もできませんし。羊からのリファレンスですか。




服を見ていく中で、ああこれはとんでもない本物に出会ってしまったと思った。

salonのクリスともまったく違う。

僕が10数年前に知ったアルチザンブランドとも違う。“今”とは対極にいるこういう人が時代を変えるのかもしれないと身体の芯から感じる感覚があった。



明日から発売です。

型数絞って提案したかったのですが、どれも凄すぎて。。いろいろ着て下さい。

サイズはS/M、M/Lの2サイズ展開です。試着はすべてS/M着てます。




どっちも買った
自給自足ウールにこのパターン。最高すぎた

チャームはどこに付けてもかわいいよと教えてくれた
そしてケイトさんのセーターはガッシリしてるのに軽い






カーディガンも欲しすぎる
これもパターンが独特。でもやりすぎ感は全くない
ボタンは友達の職人に作ってもらってるそう


展示会で入り口にかかってて一目惚れしたシャツ
これも衝撃でした。良すぎて良すぎて。。
これも買いました

薄手ウール素材。袖ボタンはクラシカル


フロントボタンはアクセサリー感覚でキラっと。

さりげない切り替え。


これも見たとき感動した
襟は折ったり、立てたり



極広身幅に袖はスッキリ
それに対して襟のバランスや違和感
というか、全型普通に見えてパターンは独特

トップスと同じデニム生地。デニムもウェールズ産です。
ウエストは大きめ。ギュッと絞って下さい。



イージーパンツにセンタープレスが入る
チャームもチラッと


薄手のウール素材。この生地も最高なんです
触って、履いてみて下さい。ストライプは今日から僕も履いてます




ファッションじゃない場所、モノ、環境を自身を通して新しいファッション(モード)で提案する。これは彼女しかできない手法だ。

センスは元々なのか。経験によって培ったのか。



ただ、ビジネスで考えるとアナログで険しい道が容易に想像できる。それは本人が1番わかってるはず。でも、これから荒波に向かっていく姿に自分自身を重ねて、僕もこういうお店をやりたいんだと心から熱くなった。



展示会場を出るとさっきまで降っていた雨は止んでいた。帰り道、顔はにやけてたと思う。

”やばかったな”と何回も呟いたり、少しの間ドキドキしてました。やっぱり洋服には力がある。

最高の気分になれた1月パリでの話です。